2005年07月11日

ラブレター

『大好きだよ』(ここぺりさん、21才、 小さな彼へ)

明くる朝彼はもういなかった。
この7日間は私にとって、あっという間だった。


ちょうど7日前、小さな彼は私の部屋にいた。
どしゃぶりの雨がふったあの日、私が買ったばかりの靴を初めて履いたあの日、
それからもう7日もたったんだ・・

その日は高校のとき付き合っていた元彼と久しぶりに食事をしていた。
別れ際に元彼が
「そのうちまた、電話するよ」と言った。
元彼の方から電話しないことは分かっていたのに、嬉しかった。
そんな自分を恥じながら、どしゃぶりの中、玄関まで走った。


もう慣れた、一人の部屋。
別れたばかりの頃は、元彼が吸ってたタバコの吸殻が捨てられなかったこともあったっけ。
今は一人の方が落ち着く、きっと。


おかえり、の声はないはずだった。

・・・・・・・・・・・・・
「おかえり。」

私は、全身どしゃぶりで濡れて冷たいはずなのにもかかわらず、そんなことはどうでも良かった。

小さな小さな妖精が私の帰りを待っていた。
彼の周りに光が差し込んでいるせいだろうか、彼は小さいけれど暗い部屋の中でしっかりと存在していた。



心がふわっとする。
なんだろう、この気持ち。


小さな彼は私に駆けより、そっと頬にキスをした。



今まで感じたことのないような安堵感を感じて、
強がっていたのかもしれない私は、たくさん泣いた。


それから6日間、家に帰ると小さな彼が
「おかえり。」
と私を迎えてくれた。

彼とは多くを語らなくとも、お互いの気持ちが分かった。
私は小さな彼を必要としたし、彼もまた、私を必要としてくれているようだった。


昨日の夜、突然彼は言った。
「今日で最後なんだ。」

私は、理由は聞いてはいけないような気がして聞けなかった。


最後の夜・・
ただ傍に彼がいる安心感を感じ、ぐっすりと眠った。


朝起きて小さな彼がいないことに気づく。

7日前までは当たり前だった、小さな彼のいない一人ぼっちの部屋。


彼は何しにきたの?
私にまた、元彼と別れたときのような、孤独を感じさせるため?


自分に聞いてみて、気づいた。


私はまだ元彼が忘れらていないこと。元彼がまだ大好きだってこと。

私は一人での生活になんて、慣れてない。

ずっと強がってた、ぬくもりが恋しいのに。


小さな彼は私にそれを教えるためにきたのかもしれない。
きっとそうだ。


元彼に想いを伝えよう、大好きだよって。



気づかせてくれた小さな小さな彼に、心の手紙を書こう。
もう会うことはないだろう、小さな彼に。


・・元彼の次に大好きだよ。


心の手紙、それは小さなラブレター。



posted by ここぺりさん at 00:26 | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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